2008年04月26日

【亡念のザムド】スタッフインタビュー01【後半】

こんばんは、ボンズ制作のカサオカです。
更新ペースが開いてしまいまして申し訳ありません。
亡念のザムド、スタッフインタビュー01の後半になります。
宜しくお願いいたします。

【亡念のザムド】スタッフインタビュー01【後半】

アニメーションディレクター:奥村正志

前半より続く

―― ザムドとはどういう作品だと思います?

奥村 僕の意見なんですけど、人間が普通に生きてるとして、みんな別々に、自分自身の力で生きているような感じで居るんですけど、本当は両親とか、その前で言うとお祖父ちゃんお祖母ちゃんとか、自分の周りの環境とか、そう言うものによって個人が形成されてると思うんです。
それをもっと長い目で見ると、長い歴史の時間軸の中に自分と言うものが居て、そんな自分は何をするために生まれてきたのか。神の視点ではなく主人公の感情をメインにして、ライブ的な感じで、「自分は何をするために生まれてきたのか」を物語に出来たらいいんじゃないかな。わかんないけど、僕はザムドとはそういうものを表現する作品だと思います。

―― では、そのザムドの表現とは?

奥村 元々は、自分の持っているアニメーションで作りたいものを、ビジュアルとして表現するつもり・・・・・・だったんだけど(笑)

―― 過去形っすか?(笑)

奥村 過去形(笑)でもまぁそれは作品を造る上で監督がまとめないといけないので、今は宮地さんが持っている面白味みたいなものを忠実に再現しようって言う気持ちなんですよね。
アニメーションの形態として主人公が化け物になってしまうって言うのが・・・・・・なんだろうねぇ、意外と難しい表現なんだよね。単純なヒーロー物としてそれを描いてしまうのか、単純なアクション物としてのバケモノヒーローを描くのか。そういう今までのやり方とは違う切り口でやったら、普通とは違う作品になるんじゃないかなって気はするんですよね。
んー、単純なアクション物だけと言う訳じゃなくて・・・・・・まぁ、アクションは一杯あるんですけど。

―― アクションはあくまでザムドの売りの一つ?

奥村 売りの内の一つにしたいんですけどね、今のところはまぁまぁできてるかな(笑)それよりも、全体を通して流れで見た時に一杯出てくるキャラクター達の持っている感情がどういう風に流れていって、最終的にどういう結論になるのかって言うのが、一番表現したい所だと思います。

―― ザムドの見所はどこだと思います?

奥村 宮地さんのユーモアセンス溢れる演出(笑)
僕がカッティング(*4)後とかアフレコ後とかのフィルムをみると、一番面白いのはそういう所なんです。自分の仕事で言うと、舞台骨を作る事なんで、そこにそんなに注目しなくてもいいかな(笑)

―― いや、そこはアピールしときましょうよ(笑)

奥村 見てて気持ちの良い風景とかね、そこに行ってみたいなと言う感じになる場所を作品に登場させようとは思ってます(笑)

―― 美術設定の発注の時でも、こういう場所に行ってみたいな、とかいう話は出てますよね

奥村 人間が居る感じって言うのはあるといいですよね。

―― 監督の演出と、世界観や空気感が奥村さん的に注目である、って感じですかね

うん、注目だと思います。
個人的には、今、若いアニメーターの方たちが一杯集まってきていて、そういう方の仕事が大変面白くて刺激になるんですよね。ベテランの方の原画も参考になるので、たくさんコピーをとらせていただきましたけど(笑)


*4:カッティング = オンライン編集の事

―― 視聴者(予定)の方に何か一言

奥村 自分達が面白いと思っていることを忠実に映像にしてみようと言う感じでやってます。自分達が信じているものを映像化していることは確かなので、それを見てどういう感想を持たれたか、ぜひ教えてください。


2008/04/16 ボンズBスタジオ会議室にて


イラスト:奥村正志

Posted by xamdou : 2008年04月26日 05:05