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2008.0419

【亡念のザムド】スタッフインタビュー01【前半】

こんばんは、ボンズ制作のカサオカです。
本日はザムドヨタ日記としまして、アニメーションディレクターの奥村さんへのインタビュー(前半)を掲載させて頂きます。
素人インタビューにて大変恐縮ですが、どうぞお楽しみください。

【亡念のザムド】スタッフインタビュー01【前半】
アニメーションディレクター:奥村正志

―― ザムドを始めてどれぐらいたちましたっけ?

奥村 どれぐらいなんですかね。ゲド戦記が終わってからだから、2年ぐらいになるんじゃないかな。

―― これまでザムドをやってきての感想はどうっすか?

奥村 企画当初では、自分が作画して面白いものを作ろう、と個人的には思ってたんですけど。やり始めると、設定とか諸々の仕事が一杯あって・・・・・・。名前はアニメーションディレクター(*1)となってるんですけど、アニメ的なものがあまり出来ていないと言う気分です。

*1:アニメーションディレクター = 一般的にアニメーションに関わる作画、処理等を統括する役職

―― ザムドのアニメーションディレクターってどんなお仕事ですか?

奥村 どうなんですかね。んー、良い作画さんを集めてくる?(笑)
僕が直接作画が出来なかった分、良い原画さんに仕事を振るというのが、一応役割としては有ったのかな、と言う気がしますけどね。
設定の仕事もあるんですが、アニメーションディレクターとは別で考えてます。個人的に、なんでもない街とか家とかをあまり出したくないなというのがあって、美術設定を凝る事で面白いものが作れるんじゃないか、と言うのがありましたね。なので、最初から美術設定は僕がやっても良いよ、と言ってました。それで色々大変になりましたが(笑)
美術監督の青井さん、グリーンの皆さん、いつも有難う御座います。

―― 今現在の作業内容はどんな感じですか?

奥村 初期は、ザムドがどんな動きをするのかとか、ヒトガタ兵器(*2)のバリエーションも考えてみたりもしました。今はなんだろうなぁ。メインになっているのは、美術設定込みのイメージボードか。後は、監督チェックの代行みたいな感じで、レイアウトを見たりもしてます。まぁ、レイアウトを見る仕事の方が楽しいですね。

―― プラス、総作監(*3)?

奥村 あぁ、そうそうそう、総作監として、自分が描いたもののディテールの併せみたいなのをやったりもしてます。
後、特殊なカットを選んで動きを描いてみたり、他の人が描けない設定絡みの部分を描いてみたり。そんな感じなんですかね。

*2:ヒトガタ兵器 = 作中に出てくるモンスター兵器の総称
*3:総作監 = 総作画監督。全話の作画の統括を図る役職

―― 現状でのザムドの満足度はどれぐらい?

奥村 満足度?難しいんだよねぇ。自分で作画を描いてないからねぇ。自分の満足度で言うとどうなのか・・・・・・(笑)
とにかく、倉島さんと橋本さんの頑張りが凄くてね。作画で言うと、それが一番大きいんじゃないかなって気がするんですけどね。

―― 今のところ何点?

奥村 点数は難しいなぁ(笑)

―― ご自身の思い描いていた映像には近づけてます?

奥村 それで言うと、凄く近いんじゃないですかね。他にメインスタッフが居なくて、僕だけでやったとして、あんなには出来ないよね(笑)

―― ザムドのメインスタッフ4人の作業分担はどんな感じですか?

奥村 とにかく、企画を出したのが宮地さん本人だから、宮地さんの持ってる世界観をいかに表現するかってことが一番だと思うんだけど。
分担で言うと、キャラが倉島さん、ザムドとメカが橋本さん、あと美術設定が僕っていう(笑)

―― でも、監督チェック代行として全てに目を通す事も多いですよね

奥村 まぁ、そうですね。でも、やっぱりキャラは倉島さんですね。キャラクターに関しては一番最初にちょろっと一枚絵を描いて、それが大元にはなってるんだけど。倉島さんがクリーンナップした絵を見ると、僕には描けない領域にまで達している・・・・・・と思います(笑)

―― 倉島さんは線が綺麗ですからねぇ

奥村 線が綺麗だって言うのもあるんだけど、感情表現が非常に良くて、硬くないんですよね、絵が。で、作画さんが良い原画を描いてきたら、ちゃんとそれに添った形で修正が入れられる。物凄く良い作監の資質ですよね。その上自分でもガンガン一原を切る事が出来て、それも凄いって感じなんですけど。

後半に続く